年収700万円から脱サラし起業。理系からなぜ人材業界へ?「Nextra」代表の中川さんに話を聞いた|働き方ライブラリーVol.2

今回は、働き方ライブラリーVol.2!

名古屋でフルリモートのインターンシップサービスを企画しているネクトラ(https://nextracareer.jp/)代表の中川くんにお話しをお伺いしました。

学生時代はNGOでインドの環境問題と向き合う

俵谷  学生時代の知り合いにインタビューするのはなんだか新鮮です(笑)

中川さん 確かに新鮮!どんどん聞いて良い記事にしてね(笑)

俵谷 はい!今は人材ビジネスをしているとのことですが、もともと大学時代の頃から人材に興味があったのですか?

中川さん いえ、当時は「環境問題の解決をしたい」って思ってましたね。

高校の時から理系を専攻して、環境系の会社に入ることを目指していました。

俵谷 へぇーそうなんですね!人材ビジネスからは、だいぶ遠い世界のように感じます。

中川さん:よく言われます!大学も理系に進んで環境系の学部に入りました。

大学では、NGOのインターンシップに参加して、インドの現地で環境問題に直接関わっていました。

いざ行ってみると、現地の人は環境と共存したいと思っていなかったり、農業をしたいと思っていなかったりと、さまざまな問題と直面しました。


NGOで活動中の様子

 

俵谷 なるほど。現地の人がそもそも環境美化とか保護に関心を持っていないとキツいですね。

中川さん:そんな状態だから、もし環境系の技術者として現地に入ってもなかなか力を最大限に発揮できないんじゃないかなと思うようになりました。

さらに致命的だなと感じたのは、NGO自体が稼げていないことで、完全に「やりがい」に依存していたんですよ。そこから徐々に違和感が大きくなりました。

俵谷 それで人材方面に?

中川さん:いえ、この頃はまだ人材業界に興味は向いてなかったですね。

疑問を感じながらも、就職活動してプラント会社から内定をもらいました。

ただ、疑問は消えるどころかむしろ大きくなって、就活している中で自分はプレイヤーになるのではなく、プレイヤーを支援する方が向いていることに気づいたんです。

日本人の技術者と現地の人をつなぐ架け橋、場作りができるスキルが欲しいって思って、結局、プラント会社の内定を辞退しました。

理系大学から人材ベンチャー企業に入社

俵谷 そこで理系のキャリアを一旦ゼロにして、ビジネスで解決する方法を模索するわけですね?

中川さん:そうですね。理系とは全く畑違いのベンチャー企業をたくさん受けました。

そのうちの1社が、「事業計画書を作って、テレアポして会社にプレゼンしてきてください」というめちゃくちゃな選考で。

俵谷 あの頃は、確かにそういうめちゃくちゃな選考多かったですよね。今考えたらコンプラ違反のものばっかりでしたね……。

中川さん:すでに自分の中で考案していたビジネスモデルがあったので、この選考を利用して事業計画書を作って、いろんな企業にテレアポしまっくったんですよ。

俵谷 すごいですね。とても就活生とは思えない……。

中川さん:まあ普通の新卒とは思われないですよね。いろいろテレアポする中で、話を聞いてくれたところが1社あって、それが前職の人材会社だったんです。

今考えたら拙いプレゼンだったと思いますが、熱心に3時間くらい話を聞いてくれました。

「この事業は採用できないけど、1年目から裁量持ってできるポジションを用意するよ」といわれて、その時選考が進んでいた会社を全部辞退して、入社を決めました。

俵谷 強烈な入社エピソードですね。これ内定決まったのって3月後半ですよね?

中川さん:内定式の1週間前くらいですね。

もちろん、他の新卒社員からは「誰だあいつは?」という目で見られていましたね。

俵谷 入社してからは、具体的にどのような仕事をしていましたか?

中川さん:最初は営業の新規開拓をしていました。いわゆる飛び込み営業ですね。

俵谷 ベンチャー企業にあるあるな仕事内容ですね。飛び込み営業は嫌ではなかったんですか?

中川さん:むしろ好きでしたね。成績もそれなりに良くて、大阪転勤して1年目にマーケティング戦略に入ってそこからずっとマーケティングに携わっていました。

愛知に来てからは、既存顧客の開拓、派遣社員のコーディネーターをしていました。

年収700万円を捨てて起業


趣味のロードバイクをしている様子

 

俵谷 今までの話を聞いていると、トントン拍子に出世して順風満帆に思えるのですが、どこかで違うと思う瞬間があったのですか?

中川さん:正直、収入面では不満はなかったです。

だけど、自分のやりたいことと実際にやっていることにギャップがどんどん出てきてしまって。

人材派遣や紹介という仕事をしていると、やりたいことがある人に全く関係のない仕事を推薦する時があるんですよ。

「本当に良いのか?」と、続けることに疑問が出てきちゃって。

人材会社の都合で、ビジョンのある人が適切な場所に進めずにミスマッチしている、これってものすごい矛盾じゃないですか?


熱く語りすぎて手の勢いがすごいことになっています

 

そんな中、Facebookで選考や学生時代に知り合った親しい友人の近況を見ると、みんな独立して自分のやりたいことに向かって奮闘している。

それに対して、自分はこのまま会社に埋もれててよいのかって思うようになって、会社を辞めて独立することにしました。

俵谷 その後独立して、今の人材ビジネスを始めるわけですね?

中川さん:実は、最初は今とは違う形で、「VRで仕事を体験できる」っていう方向で事業を進めていました。

簡単に仕事を体験できる方法として、またトレンドということもあってVRが流行るんじゃない?と思って始めました。

VRって専門技術がないと難しくて、そもそもの問題になっちゃうんですが、「VRで仕事を体験したい」というニーズが多くなかったんですよ。

俵谷 確かに。ちょっと時代を先取りしすぎた感はありますね。今はどんなことをやっていますか?

中川さん:フルリモートのインターンシップの紹介サイトを運営しています。2021年卒の学生から使ってもらえるように、登録者数1000人を目指しています。

俵谷 どのような仕事を扱う予定ですか?

中川さん:営業とかも載せたいのですが、フルリモートだとなかなか難しいので、エンジニアなど遠隔でも支障なく案件が進められるものに絞っていこうと思っています。

独立して苦労していること

俵谷 年収700万円を捨てて脱サラしたわけですが、独立して「これやっちまったな!」という失敗はありますか?

中川さん:あるある!まず、生活水準を下げずに独立したことですね。

変な話、会社員の時はたくさん使っても貯金できていたから、何にどれだけお金がかかっていたかなんて気にしてなかったんですよ。

独立したら最初は収入がないので、貯金があっという間になくなりました。

独立する前に、経費の内訳は絶対にした方が良いです!

俵谷 これから独立しようと考えている会社員の方には必見の情報ですね。

年収700万円ってことは税金も高かったんじゃないですか?

中川さん:正直、住民税の金額を見て青ざめましたね(笑)

辞める前に、どのくらい税金がかかるのか、もし支払えない場合は、保険料は分納できるかなど、事前に身内の税理に詳しい人に相談した方がよいですね。

今はスマホのトップ画面に節制を心がけるメッセージを掲げているので、だいぶ意識できるようになりました!ちょっと待ってくださいね。

これです!

俵谷 「時間を無駄にしない」「身だしなみを整える」「規則正しい食事」。

ぐっ…どれも大事なことばかり……。健康の三原則ですね!

最後に

俵谷 最後に一言、何かあればお願いします。

中川さん:NGOの時も、人材会社で勤務していた時も感じていた「やりたいことがある人に適切な環境」を作っていきたいです。

今の採用マーケットって、会社の思惑やビジネスモデルの構造が原因で、求職者と企業がマッチングしない状況になっていて、それを正して人材を最適に配置したいなと思います。

私もそうだったんですが、「やりたいこと」かどうかってまずやってみないとわからないと思うんですよ。

入社前に知れると、会社も求職者もハッピーになれるなと思います。

そういうこともあって、まずはリモートでできるインターンシップで、自分がやりたいことを見極めて欲しいですね。

今回、取材にご協力いただいた方はこちら

中川裕太さん(NEXTRA代表)
2013年、大手人材会社へ入社。5年6ヶ月にわたり、コンサルティング営業・企画営業(法人向営業)をメイン業務として従事。2018年9月〜独立し人材活用コンサルティング・研修・採用代行業務・営業支援サービスを提供。

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