最近、注目されるようになった「子連れ出勤」という働き方。
2019年1月15日に、宮腰光寛少子化対策担当相が「子連れ出勤推進」を打ち出しましたが、ネットでは「手のひら返し」「仕事と育児を同時並行に行うのは不可能」と反対意見が相次ぎました。
本日は、子連れ出勤の問題点と導入企業について書いていきます。
子連れ出勤とは?
子連れ出勤とは、その名の通り、子供を連れて会社に出勤をすることで、近年の待機児童問題なども考慮し、一部の企業が子連れ出勤制度の導入をすすめており、たびたびメディアで話題になっています。
2019年1月15日には、宮腰光寛少子化対策担当相が子連れ支援施策として補助金拡充をする「子連れ出勤推進」を打ち出しましたが、政府では以前、熊本市議会にて緒方夕佳議員が子連れで議会に参加することを拒否したこともあり、世間からは「手のひら返しだ」と批判の声も相次ぎました。
子連れ出勤に対する世の中の声
子連れ出勤に対して、世の声は意外にも厳しいです。
株式会社ベビーカレンダーが子育て中のパパママ2172名を対象に行なった調査によれば、とても賛成が20.2%、まあ賛成が36.6%、賛成派が合わせて56.8%でやや反対派を上回りましたが、これはあくまで子育て中の人に限った調査であり、実際は五分五分または反対派が賛成派を超える可能性もあります。
ちなみに、この調査で反対と回答した人の理由には、「業務に集中できず、仕事が滞る」が64.5%、「保育環境の整備や保育園の拡充に優先すべき」が49.5%と、業務効率が下がることを懸念している人が多いようです。
他にも、「育児休暇の制度を充実させる方が先決」「人手不足の解消をまずなんとかしたほうが良い」などの意見も散見されました。
子連れ出勤の問題点
保育園が足りない
子連れ出勤に関する意識調査でもあったように、保育士の待遇改善や保育所の増設など、保育園の整備が解決しないうちに子連れ出勤という形で、職場に負担を強いるのはおかしいと考える人が多いようです。
少子高齢化による人手不足
少子高齢化による人手不足で、現在多くの企業では採用が課題となっています。
子連れ出勤では、他の社員に業務量や職場環境という面で負担を強いることになります。人手が不足している企業ではそれを導入する余裕もないのが現状です。
職場の理解
例えば、子供がパソコンにジュースをこぼしてしまった、泣き声で他の社員の業務がストップしたなど、業務に差し障りが出るトラブルが起こることも考えられます。
子連れ出勤には、様々なリスクが伴いますが、長期的に見れば育児中の社員の生活にゆとりが出て、離職率が低下し、慢性的な人手不足を防ぐことができます。
職場で働く従業員一人ひとりに子連れ出勤の制度の目的を理解してもらうことが重要です。
子連れ出勤制度を導入している企業
サイボウズ
2014年と子連れ出勤が話題になる前から導入しています。
サイボウズでは子連れ出勤だけでなく、育児介護休暇制度、在宅勤務制度など、多様な働き方を応援する取り組みをたくさん行っています。
ソウ・エクスペリエンス
テレビでも度々取り上げられて話題になっています。
ソウ・エクスペリエンスの代表西村氏が率先して子連れ出勤を始め、
社内文化として根付いています。
子連れ出勤をイメージを掴んでもらうために、子連れ出勤見学会も定期開催しています。
GMOインターネット
GMOでは、社内託児所を設置しています。
通常では、19時頃までですが、21:00までの延長保育にも対応しています。
また、おむつやタオルは託児所で用意されるため、大荷物にもなりません。
まとめ
子連れ出勤は、あくまで働き方の選択肢の一つ。
すぐに復職したいという方にはとても便利な制度だと思います。
多くの企業で人手不足な状態が続く中で、定着は難しいかもしれませんが、選択肢の一つとして用意する企業がもっと増えれば良いなと思いますね。