次世代の働き方「パラレルキャリア」とは?メリットとデメリットを考える

最近よく耳にするパラレルキャリア。

さらに似たような複業、副業といった言葉も存在し、なかなか区別が難しいところです。

そこで、この記事ではパラレルキャリアのそもそもの意味と、パラレルキャリアと副業の違い、パラレルキャリアのメリット・デメリットについて書いていきます。

パラレルキャリアって?

パラレルキャリアとは、かの有名な経営学者、ピーター・ドラッカー氏が書いた「明日を支配するもの」で提唱した生き方・働き方のひとつです。

パラレルは直訳すると「平行」となり、要は複数の別々のキャリアを同時並行的に進めるという意味になります。

また、このパラレルキャリアは収益の発生の有無に関わりません。

ボランティアやプロボノ(プロのスキルを活かしたボランティア)、非営利団体の参加・活動も含めるとされています。

パラレルキャリアと副業の違い

よくパラレルキャリアと副業は混同されがちですが、副業は本業を起点に副次的な収益源を稼ぐという考え方であるのに対し、パラレルキャリアは本業も副業もなく全てフラットに並行的に、金銭だけでなくキャリアを構築していくという色が強いのが大きな違いです。

パラレルキャリアが注目される背景

パラレルキャリアが注目される背景には、人材不足、終身雇用制度の崩壊、IT技術の発展などさまざまな要因が重なって起こっています。

数十年先に見える日本の人材不足

少子高齢化、グローバル化により、日本は今後慢性的な人材不足に苦しむとされています。

現役ママや定年を迎えたシニア世代、またLGBT、障害を持った方など多様な個性を受け入れつつ、総力戦で立ち向かっていかなければ、日本の将来は先行き不安になると思われます。

多くの個人個人のキャリアも配慮し、多様な人材を活用していくことが今後の日本に求められることだと思います。

終身雇用制度の崩壊

高度経済成長を過ぎ、バブルが弾け、事実上、終身雇用制度は崩壊しました。

たとえ、大手企業にいても将来安定した収入が得られるとは限らない。

そういう時代だからこそ、個のスキルを活かせる、キャリアを構築できるパラレルキャリアという働き方が注目されてきています。

IT技術の発展

IT技術の発展はめまぐるしく、この数十年で大きく人間のライフスタイルを変革しました。

今では、パソコン一台あれば仕事ができるようになり、その職種はどんどん広がっています。

このIT技術こそが、パラレルキャリアを可能にしています。

もはや、スキルさえあれば、場所も性別も問わず仕事をすることができます。

パラレルキャリアのメリット・デメリット

パラレルキャリアには、メリットもあればデメリットの側面もあります。

両方を理解し、うまく自分のキャリア形成に役立てましょう。

パラレルキャリアのメリット

相乗効果でスキルを高められる

本業に近しい業種、または親和性の高い業種であれば、今まで得た知見や経験を活かし、キャリアを増幅させることができます。

スキルを1つの仕事をするより、連鎖的にスキルを高められるため、何倍も成長ができます。

タイムマネジメント力をが身につく

忙しい方が効率を考えるようになります。

複数の仕事を回すために、無駄な作業を省いたり、自分がいなくても回る仕組みを構築するようになります。

このシステム設計や構築をした経験も、転職やキャリアアップに役立ちます。

収入が増える

シンプルに業務量が増えるので、収入が増えます。

短期的には、本業以外の仕事がボランティアであったとしても、長期的に見れば、転職で収入アップするための実績やスキルを積む経験になります。

異業種の人脈が増える

パラレルキャリアの大きなメリットの一つが異業種の人脈が増えることです。

会社勤めをしているだけでは、なかなか異業種の人と接する機会はありません。

パラレルキャリアをすることで、よりフラットに異業種の人と情報交換・プロジェクトで協業することができます。

パラレルキャリアのデメリット

時間に追われる

業務量も多くなるので、時間がなくなります。

タイムマネジメントが上手くできないと、睡眠時間や家族との大切な時間を削ることになります。

本業がおろそかになる

時間に追われる結果、本業に支障が出ることもあります。

ここは、完全に個人の力量次第ですが、本業に支障が出るリスクも考慮した上で、パラレルキャリアを行いましょう。

家族の理解を得られにくい

上の理由から、家族の理解を得られないこともあります。

子育てで大変な時期や介護が必要な時期、きちんと家族と相談しながら決めていくのが無難です。

まとめ

パラレルキャリアは良い面ばかり語られますが、デメリットもしっかりと理解し、導入しましょう。

特に、家庭や職場の理解が必要になります。

そこは面倒くさがらず、丁寧にしっかりと説明を行っていきましょう。